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HIV7年生男子の雑記~HIVをポジティブに~

HIV感染から7年目のアラサーゲイ「たま」の雑記。HIVに関する経験や日々の出来事を記していきます。tamatamatama1984@gmail.com までご遠慮なく!

人生の逆転満塁ホームラン ~薬物依存とHIV~(ちょっと長文)

 

こんばんは、たまです。

  

清原さんが逮捕されてしまいましたね…。

 

最近はプロ野球もあまり見なくなってしまったけれど、

小学生の時には何度も父親と東京ドームに足を運んだりするほど野球好きだったので、

大活躍していた時期を知っていただけに、何とも寂しい気持ちになりました。

 

引退に至るまでの数年間とその後、ケガや色々なことに悩まされて、苦しんで、

その中でふと悪魔のささやきに心の隙間を埋められてしまったのかな。。

 

四国でお遍路をしている姿が報道されていましたが、既にその頃から

薬物にのめりこんでしまった自分自身と必死に闘っていたのかもしれません。

 

しかし結果、お子さんや親交のあった人々、ファンの皆さんを裏切る結果になり、

そして何より自分自身の身体を不可逆的に傷つけてしまった。

これらのことは、彼自身これからずっと背負っていかなければならない。

 

そして、覚せい剤の所持・使用はれっきとした犯罪ですから、

自身の犯してしまった罪は厳に反省しなければならないことです。

彼ほどの社会的影響力のある有名人であれば、その点はなおさらです。

 

 

ただ、彼が逮捕されたとたん手のひらを返したように「容疑者」と呼称し、

大衆迎合するかのようにもてはやすメディアの行為には違和感を覚えざるを得ません。

 

単に(売人としての立場で被害者を増やすということはせずに)薬物の使用を

行ってしまったに過ぎない人を、公共の場でこれでもかと叩く行為には、

言い方は悪いかもしれませんが「いじめ」に近い恐ろしさを感じます。

 

  

覚せい剤をはじめとした薬物依存は、個人の努力では克服できない「病気」です。

自身でやめようと思っても、生理現象と同じように、身体がどうしても求めてしまい

自身でそれを制御することはできなってしまう。そしてさらにエスカレートする。

一度手を出し、それからすぐに引き返さなければ、もう後は突き進むしかない。

(まさに、飛行機のpoint of no return(帰還不能点)です。)

 

そして、この「病気」は、ある程度依存が進んだら完治しないと言われています。

更生への道を進み、薬物を断てる可能性はあるとしても、

一生、薬物の誘惑と闘っていかなくてはならない。

 

 

こうした「完治しない病気である」という点はHIV感染症とも共通するものです。

更に、元をたどると「欲望に負けてしまった個人の一時の不注意」に原因がある

という点も、多くのHIV感染事例と共通します。

(もちろん、薬害や輸血事故その他不可避的に感染してしまった例は除きます。)

  

HIVは今や医学の進歩により、早期発見・治療を行えば、他の慢性疾患と同様に

大きな支障を感じることなく生活することができるまでになりました。

それに加えて、薬害エイズ訴訟の原告団の方々の血のにじむ努力の結果、

我々は様々な福祉制度の恩恵を受けることもできるようになりました。

こうした方々のご尽力や社会の皆さんの支えに心から感謝しています。

 

 

ところが、薬物依存はHIVよりも更に深い闇をもった「病気」だと感じています。

治療を行いつつ、それより辛い自分自身との絶え間ない闘いをしなければならない。

大変に孤独で、厳しい闘いを一生涯送らなければならないのです。

 

今回の事件では、恐らく執行猶予がついて刑務所には収監されないと予想されますが、

今の状態ですぐに社会に放り出されることにより、

刑務所で生活する以上の苦境に立つことになるかもしれません。

周囲の人や社会の大きな支えがなければ、

おそらくこの「病気」に打ち勝つことはできないでしょう。

 

 

人は、辛かったり、苦しかったり、色々なことが自分の思い通りにならないとき、

様々な誘惑に負けてしまいそうになることもある。

人によってその個人の置かれた状況は千差万別だし、

社会的に恵まれている人とそうでない人がいる。

だから、多くの人は頑張れたのにこの人は頑張らなかったから「悪い」、

とは一概には言えないと思います。

(自分自身がHIVに感染してしまったことを正当化するつもりはありませんが…)

 

誘惑に負けてしまった人は、それをしっかり反省して、更生の道に乗れた暁には、

差し出された支援や恩に対して何らかの形で報いることができるようにする。

それこそが、日本人が古来大切にしてきた支え合いの精神なのだと思うのです。

 

 

薬物依存に陥った人の更生への道中、最初のハードルは「社会」です。

 

メディアには、清原さんのプライベートや心の闇を過剰に追求するのではなく、

今回の事件をきっかけとして、薬物依存の危険性を改めて周知することや、

更生への道を歩んでいる人がどのような施設・制度を利用できていて、

どのような闘いをしているのか、

そのような部分にスポットライトを当ててもらえたら、と思っています。

 

 

ボールにtweetすることで有名(?)なKKコンビの相方、

桑田さんが素敵なことを言っていました。

 

「(彼には)人生の逆転満塁ホームランを打ってほしい」

 

引退後の清原さんを心配して様々なアドバイスをし、

その結果3年前に絶縁されてしまったにもかかわらず、

今に至りこのようなコメントをできる心の広さには胸が熱くなりました。

 

逆転満塁ホームランを打てば、打った本人はもちろん、ファンもみんな喜ぶでしょう。

相当険しい道のりではあるとしても、僕もそう思わずにはいられません。

 

 

皆さんにとって、今日1日が素敵な1日になりますように。

 

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