災害時のお薬事情 ~HIV感染者の場合~
こんばんは、たまです。
前回は3.11について書かせてもらったので、
今日は特に服薬に関する災害時の備えについて少し書いてみようと思います。
HIVはもちろんのこと、他の慢性疾患を持つ人にとって、
災害時に服薬・投薬をどうするかというのは非常に重要な問題です。
飲食もままならない緊急時であっても、身体は待ってくれないのです。
例えば、糖尿病の方であれば、人によってはインスリンと注射のセットを
外出先でも常に準備しておかなければならなかったりということがあります。
3.11の際には、糖尿病の患者の方がインスリン不足で困ったという話も見聞きしました。
(数日後に被災地にインスリンが届いた際にも、薬はあるのに注射用の針が足りなかった、というような事例もあったようです。)
その患者数は日本の全人口からすれば非常に少ない、希少な疾患です。
災害時においても、上記のインスリンのようにすぐに薬が供給されることは期待しにくいかもしれません。
しかも、HIV療法の場合は人によってメニューが多様なので、普段自分が服薬している薬が手に入らない可能性も高いです。
このような状況が想定される以上、HIV療法を受けているのであれば
事前にしっかりと対策を練っておくことが非常に重要です。
・すぐに主治医に連絡できるよう備えておく
例えば、長期にわたって自宅に抗HIV薬を取りに帰ることができそうもなく、
やむを得ず一時服薬を中断しなければならないと見込まれる場合でも、
耐性獲得防止の観点から中断の仕方に工夫が必要になる薬の組み合わせもあります。
その他にも、善後策について早急に主治医に確認を取る必要が出てくる場合が発生すると想定されます。
検索せずとも連絡先が分かるように、病院の電話番号が書いてある診察券等は
常に財布に入れておくなど身に着けておいた方が良いかもしれません。
・普段服用している薬の名前をちゃんと覚えておく
抗HIV薬に限らず、災害時には意外と重要になる事柄です。
特に日和見感染症の治療や予防のために多くの種類の薬を服用している方は意識して覚えておく必要があります。
緊急に主治医以外に処方をしてもらうにしても、曖昧な記憶では処方する側も躊躇してしまうかもしれません。
3.11の際には、普段は煙たがられがちな「お薬手帳」も役に立ったようです。
・予備の薬を確保しておく
何より、これが一番の方法ですね。
僕は旅行でなくても外出する際には常に約1週間分の抗HIV薬を持ち歩くとともに、
遠距離中の相方にも予備の薬を少し預けています。
また、緊急避難袋に保管しておくという方法もあるかもしれません。
薬の所在を分散させるというのは、投資と同じでリスクヘッジになります。
(ただ、薬の有効期限が切れないよう管理が必要です。)
とはいえ、毎日必ず服薬する薬なのでなかなか余剰薬を確保するのも難しいかもしれませんが、方法はあります。
あまり声を大にはできないのですが、例えば3か月に1回の通院で3か月分の薬の処方をしてもらっている場合、
通院のタイミングをそれぞれ1週間ずつ前倒しすれば、1年間で4週間分の予備のお薬が確保できます。
(3月第4週→6月第3週→9月第2週→12月第1週→2月第4週…のように。)
最近は処方の際の余剰薬管理も厳しくなってきていますし、そもそも高価な薬なので節度を守る必要はありますが、
自分の命を守るためにある程度は余剰薬を確保しておくことも必要なことだと思います。
災害への備えは、「最悪のシナリオ」を想定することが肝要です。
そのための準備は日常生活では面倒臭く感じて後回しにしてしまいがちですが、
ゼヒとも早め早めにしっかり対策しておきたいものです。
皆さんにとって、今日1日が素敵な1日になりますように。
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