どうしても抗HIV薬の服薬が継続できなくなったとき、どうする!?
こんばんは、たまです。
熊本での地震はまだまだ余震が続いていて予断を許さない状況ですが、
被災された皆さまには衷心よりお見舞い申し上げます。
さて、今回の地震に際して他のブログを読ませていただいていたところ、
緊急時の抗HIV薬の服薬中断方法について書かれていて大変参考になるものだったので、
僕も取り急ぎ書いてみようかと思います。
(本当はそのブログさんを紹介したいのですが、こんな泡沫ブログで勝手に紹介・リンクして怒られるのもアレなので…。)
「緊急時に備えて色々な手段でお薬を確保しておきましょう!」
とは、前にこのブログで紹介させてもらいましたが、
どうしても抗HIV薬の服薬が継続できなくなってしまった場合、どうすればよいか。
下記のページがとても参考になりますので関係各位は是非ともご一読を。
http://www.acc.ncgm.go.jp/earthquake/020/110315_001.html
(国立研究開発法人 国立国際研究センター エイズ治療・研究開発センター HPより)
手持ちの薬が少なくなると、どうしてもそれを長く持たせたいと思うようになりますが、
・普段1日2回の服薬を1日1回にする
・普段1日1回の服薬を2日に1回にする
・普段1回2錠の薬を1回1錠にする
抗HIV薬においては、このようなことは「ダメ。ぜったい。」です。
薬剤耐性獲得の観点では「中途半端な服薬」は「全く服薬しない」よりも有害です。
(僕が服薬しているストックリン等のNNRTIは血中半減期が長いので、抜き方に少しコツが必要ではありますが。)
詳細な言及は割愛しますが、スパッと服薬を中断し身体から完全に抗HIV薬が抜ければ、
抗HIV薬が血中から抜ける過程で耐性HIVが生じない限りは服薬を問題なく再開できる可能性が高くなります。
(一時的にウィルス量は上がると思いますが、耐性が生じていなければ服薬再開によりまたもとに戻るはずです。)
一方、中途半端な服薬をすると、その中途半端な服薬をしている間は常にHIVにとって耐性を獲得する温床であり続けることになってしまいます。
耐性は、薬が存在する血中でHIVが「生かさず殺さず」の状態になっているときに最も生じやすいのです。
(少し昔の薬の組み合わせですが、服薬率が80%前後のときに最も耐性が生じやすいという研究結果があります。詳しくは『抗HIV治療ガイドライン 2016年3月』HIV感染症及びその合併症の課題を克服する研究班(http://www.haart-support.jp/pdf/guideline2016.pdf)の39~40ページをご参照ください。)
決まった薬を飲み続けられるに越したことはないですが、どうしても服薬を中断しなければいけなくなった場合は
スパッと服薬を中断することが次善の策であることは、是非とも頭の片隅に置いておくと役に立つかと思います。
皆さんにとって、今日1日が素敵な1日になりますように。
そして、被災された皆さんが1日も早く復興のための1歩を進められますように。
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